気候変動 ごみ問題生物の話食と水大気汚染

人の暮らしを支えている生物の恵み (第3話 生物の話)

ある日、王様フクロウとフクロウ王子は、村の広場が見わたせるこずえの上にいました。お祭がはじまるようです。

あいさつに立った村長さんが、「今日はさまざまなめぐみを与えてくれる自然に感謝する日です。みなさんですべての生き物たちに祈りましょう」と、話しています。

フクロウ王子は腕ぐみをするかのように両方の羽をあわせ、「何で祈るんだろう」とつぶやきました。何でもつくりだせる人間が、工場さえない自然に感謝する理由がわからなかったのです。

その様子をみていた王様フクロウは、「人間は自然がないと生きていけないんじゃ」といったあと、大きな羽で次々と人間や町を指さしながら「たとえばあの人間がきているシャツは、西のコットン畑でとれたコットンでできているんじゃよ。あの家の材料は東の森の木じゃな。それに食べ物は畑で採れた野菜や、小麦からつくったパンじゃろ。遠い海でとれた魚も食べておるぞ」と話しはじめました。

そして、「そうじゃ、人間の家をのぞいてみようかのう。もっと発見があるぞ」と言うと、ふわりと空に舞い上がりました。

フクロウ王子はあわててついていきます。止まったのは、人家の室内がみおろせる大きな木の枝でした。

「ほら、みてごらん。薬があるじゃろ。あの材料は薬草じゃよ。ホホー、この家の人は登山がすきらしいな。登山がたのしめるのも自然が残っているからじゃな。まだまだ自然のめぐみはたくさんあるぞ」と、王様フクロウは早口で話しつづけます。

王様フクロウのはなしをさえぎるように、少しはなれた線路を、鳥のくちばしのような形をした高速列車が大きな音ととともに通過しました。

「忘れておった。あの列車は早くしずかに走れるかたちを調べたら、我々、鳥の仲間が羽をひろげたようなデザインになったときいたことがあるぞ」

フクロウ王子は「自然ってすごいんだね。僕も自然界にすむ一羽だから胸をはりたくなってきたよ」と言うと、大きく胸をふくらませました。

その様子をほほえみながら見ていた王様フクロウは、「そうじゃよ。ワシら鳥の仲間はもちろん、動物も木も草も、土の中のミミズたちも、キノコの仲間も、人間の暮らしを支えているんじゃ。ほこりに思っていいんじゃぞ」というと、遠くまで聞こえるような大きな声でホホーッと鳴いたのです。